CEのためのちょっと役立つ疫学:研究デザイン

“臨床研究”“学会発表”と聞いてちょっと引いてしまうことってないですが?

私も以前はそうでした。大変そう、難しいそう、わからない単語もたくさん出てきますし…。

   

しかし、だれかの研究(学会発表や論文)を理解し、読めるようになると、

とても受け入れやすくなりますし、仮説も立てやすくなるのではないでしょうか?

単語の意味を知る、これってとても大切な一歩だと思います。

   

そこで今回は、普段あまり聞く機会のない(少ないであろう)疫学に関する単語について、

CEに絡めて簡単に、ちょっとした小話程度に、解説させて頂きます。

   

研究デザインについて

分析疫学の代表的な研究デザイン

     介入研究:ランダム化比較試験(RCT:randomized controlled trial)

     観察研究:コホート研究(cohort study)

          症例対照研究(case control study)

          横断研究(cross sectional study)

 

ランダム化比較試験は、無作為(ランダム)に分けることで背景をそろえた介入群・非介入群を比較して研究を行います。新薬の開発や治療法の有効性を比較するような研究で行われていますよね。ECMO使用中のIABPの有効性などがRCTで検証されています。  

   

それに対して、観察研究は既にある、もしくはこれから行う治療データを基に研究を行います。

研究に費用や時間のかかるランダム化比較試験は難しいため、基本的に我々CEが行う臨床研究は観察研究が多いかと思います。

  

よく“RCTが一番いい”と言う意見も耳にしますが、決してそういうわけではありません。

どの研究が優れているかは、倫理面・費用・バイアスなどを考慮し、研究仮説と対象者、手に入るデータ、状況に応じてデザインを選ぶ必要があるからです。

     

コホート研究は曝露の有無で追跡します。原因がある人たち(曝露群)と、原因のない人たち(非曝露群)を追跡して、アウトカムを比較します。

具体的な仮説の例としては、

“x年1月1日~12月31日までの間にA病院で人工心肺を使用した患者において、大動脈遮断時間が120分超えた患者は、120分未満の患者と比べて、ICU帰室後の挿管期間が短い”

   

症例対照研究は結果(病気)の有無で比較します。アウトカムがある人たち(症例群)と、アウトカムがない人たち(対照群)において曝露を比較します。

具体的な仮説の例としては、

“y年1月1日~12月31日までの間にB病院で人工心肺を使用した患者において、術後に急性腎障害が発生した患者は、急性腎障害を発症していない患者に比べて、大動脈遮断時間が短い”

    

このように、どのような研究デザインを使用しているかを考えると、その研究の概要をイメージしやすくなる、そして少しは受け入れしやすくなるのではないでしょうか?!  

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投稿者プロフィール

CE_Y.A.
臨床工学技士。趣味はマラソン。現在、社会人大学院生として修士課程で疫学衛生学を専攻しています。日々の臨床での疑問を解決したい、論文を正しく読み判断したい、データを適切に扱いたい、そういった思いで一念発起しました。臨床工学と疫学は、遠いようで近く、また疫学は必要な知識であるが学ぶ機会の少ない分野なのではないかと思います。学んだことを臨床で生かしつつ、臨床工学技士と疫学を繋げる一助となればと考えています。

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