呼吸療法に必要な解剖・生理学

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呼吸について勉強したい方

呼吸療法認定士について改めて確認したい方

資料を作成いたしました。古いものもありますが、誰かの何かの役に立てば幸いです。
※随時更新して参ります。

肋骨の走行は胸郭の上部では水平に近く、下部ほど前下方に斜走している。
横隔膜は胸部と腹部を隔てる筋肉の膜である。
胸壁は骨性胸壁と筋肉からなる。
吸息時は呼吸筋の収縮により肋骨は後方の脊椎肋骨関節を軸に前上方へと回転するため胸腔の水平断面積は大きくなる。
胸腔に面する胸壁は壁側胸膜に内貼張りされている。
声門を閉じた努力吸気では-40cmH2O、努力呼気時では40cmH2Oにも達する。
胸壁胸膜と臓側胸膜とは胸水を挟んで接している。
胸腔内圧は安静吸気時で-54~-8cmH2Oである。
通常、胸腔内は常に陰圧に保たれている。
胸膜は常に大量の胸水を産生し、同等量の胸水を吸収することで胸水量のバランスが保たれている。
気管は第6頸椎下縁の高さで喉頭の輪状軟骨の下端に始まり、第4.5胸椎の高さで左右の主気管支に分岐する。
気管の太さは成人で16.5mm、乳幼児で9.4~10.8mm、新生児で約5mmといわれている。
気管の長さは成人で10~12cm、乳幼児で4.5~5cm、新生児で約4cmである。
気管の横断面は完全な円形ではなく後方が開いたC字またはU字形を呈する。気管の前壁から側壁にかけて馬蹄形の気管軟骨が存在する。
絨毛運動は毎分1000回以上
胸郭は胸壁と横隔膜からなる。胸壁は骨性胸壁すなわち肩甲骨、脊椎骨、肋骨、胸骨、鎖骨と筋肉からなる。
横隔膜は胸部と腹部を隔てる筋肉の膜である。
17~19分岐を呼吸細気管支と言う。気管支鏡が挿入できるのは亜区域気管支(直径4~5mm)まで。
気管支動脈を栄養血管とするのは:小葉気管支、細気管支、終末細気管支
肺は肺循環系と体循環系の2系統の血管をうけている。
気管支静脈は気管支動脈によって運ばれた血液を心臓に戻すための血管である。
体循環系に属する気管支動脈は通常は下行大動脈より分岐する。
肺動脈は気管支に伴走しつつ気管支とともに枝分かれして肺全体の毛細血管に達する。
肺静脈は気管支に伴走しない。
気管支動脈の血液量は健康人では心拍出量の1~2%である。
交感神経が刺激されると気管支は弛緩、拡張性に働くとともに腺分泌は抑制される。
β2刺激薬が喘息の治療に用いられる。(気管支拡張作用)
迷走神経反射とは気管支や肺に刺激が与えられた場合に急激な血圧低下や心拍減少時に心停止などを起こす反射である。
横隔膜は横隔神経により支配されている。
横隔神経は3~5頸髄からでている。
呼気は横隔膜および外肋間筋の弛緩により、胸郭および肺の自然収縮により行われる。
努力吸気時、呼吸補助筋として斜角筋、胸鎖乳突筋、大胸筋、小胸筋などが働く
努力呼気時、呼吸補助筋として内肋間筋、腹直筋、外腹斜筋、腹横筋などが働く。
安静時吸気筋は横隔膜と外肋間筋。(安静時呼気筋はない)
安静時呼吸の吸気は横隔膜と外肋間筋の収縮により行われる。
安静時には呼吸量の約7~8割が横隔膜の収縮に関与しており、残りは外肋間筋の収縮が関与している。

呼吸管理に必要な生理

気管から区域気管支にかけての粘膜上皮は、線毛上皮細胞と杯細胞からなる多列円柱上皮と呼ばれる。
気管挿管、冷たく乾いたガス、吸入麻酔薬は繊毛運動を抑制する。
気道は呼吸ガスの出入りと同時に吸気ガスの加温と加湿に寄与している。
体温37℃での飽和水蒸気圧は47mmHgである。
外気から酸素を取り入れ、代謝により生じた二酸化炭素を体外に排泄する機能を外呼吸と呼ぶ
安静時における成人1分あたりの酸素消費量は250mlであり、200mlの二酸化炭素が排出される。
動肺コンプライアンス(ml/cmH2O)=一回換気量/(吸気時のピーク圧-PEEP)
コンプライアンス 正常値15~30ml/cmH2O

Ex.一回換気量500mlで吸気時のピーク圧が25cmH2O、PEEPが5cmH2Oの時動肺コンプライアンスを求めよ。

A. 500/(25-5)=25

A-Ado2を求めるために必要なパラメータはどれか

A-aDO2={(760×FiO2)-PaCO2/0.8)-PaO2}

760:大気圧(mmHg)

空気中のFiO2は21%であり(760×0.21)=150として計算式に使用される。

0.8:呼吸商

またはA-aDO2=PAO2-PaO2

PAO2=(760×FiO2)-PaCO2/0.8

肺気量レベルによってコンプライアンスが異なる。
ARDSの肺圧容量曲線はS字状の曲線を描く。
肺胞に生じる表面張力を定価させるのに重要な役割を果たしているのがサーファクタントである。
サーファクタントの本体は肺胞Ⅱ型上皮細胞で産生されるリン脂質とこれらの機能を発揮するのに必要なアポ蛋白から成り立つ。
サーファクタントはリン脂質が最も多く、中性脂質とタンパク質はほぼ同量である。
炎症性サイトカインは、サーファクタントの機能を抑制する。
サーファクタント内のアポ蛋白は、間質性肺炎の活動度を示すマーカーとして用いられる
静肺コンプライアンスは肺を一定の換気量で膨らませたまま、気管内チューブを閉塞し、気道内圧を継時的に観察して一定化した段階での気道内圧と換気量の関係から求める。
動肺コンプライアンスは気道抵抗や呼吸回数の影響を受けやすい。

Ex.SaO2100%、PaO2100mmHg、ヘモグロビン10g/dlの動脈血酸素含量はいくらか?

A. ヘモグロビン1gあたりの酸素結合能力は1.39mlであるが、生体内においてメトヘモグロビンや一酸化炭素ヘモグロビンを含むため酸素結合能力は1.34mlとなる。

CaO2=1.34×ヘモグロビン濃度×SaO2+0.003×PaO2(ml/dl)

CaO2=1.34×10×1+0.003×100=13.7

ポアズイユの法則は層流の時のみに当てはまる。

管の半径の4乗および間の両端の圧力差に比例し、管の長さ及び流体の粘性に反比例する。

吸気ガスは咽頭レベルで相対湿度80%となる。

終末細気管支の抹消は、呼吸細気管支である。

肺区域は右肺が10区域、左肺が8区域に分かれる。

細気管支以下の気管支は、平滑筋の収縮により狭窄を来しやすい。

Ⅰ型肺胞上皮細胞の方が、Ⅱ型肺胞上皮細胞より多く存在する。

肺胞でのガス交換を行う面積は50m2である。(肺胞表面積は130m2)

Ⅰ型肺胞上皮細胞は扁平である。

肺胞は約3億個存在する。

気道抵抗の大部分は中枢気道に存在し、清浄では末梢気道の抵抗はほとんど無視できる。

乱流では、ある一定量のガスを流すのに必要な圧が流量の2乗に比例して大きくなるため、層流に比べ気道抵抗の上昇が著しくなる。

気道抵抗は、気道の半径の4乗に反比例して大きくなる。

呼吸仕事量は、摩擦抵抗仕事量(気道抵抗に打ち勝つ仕事量)と弾性仕事量(肺と胸郭の弾性に対する仕事量)の両方を合わせたものである。

・酸素化ヘモグロビン解離曲線にて右方移動するもの

pHの低下、PCO2の増加、体温の上昇、2.3-DPG増加(貧血、慢性呼吸不全)
平常時の肺胞気と肺毛細血管との接触時間は0.7秒程度である。
仰臥位では背位にいくほど、立位では肺底部にいくほど重力の影響により血流が多くなる。
換気量や換気回数など換気条件を変更した場合にPaCO2レベルが安定するのに時間がかかる。
吸気時に同じ陰圧がかかった場合吸気は肺尖部より肺底部の方が多いが、血流はほぼ重力に依存して肺底部の方が多くなる。
肺尖部の血流の低下具合は換気量低下よりもはるかに大きいため肺尖部の換気血流比は3以上に達し肺底部では0.8を下回る。
酸素の体内総含有量が1.5L程度あるのに対して、二酸化炭素は120L程度である。
中枢化学受容体は脳脊髄液のpHや二酸化炭素に反応し、pHが低下すると呼吸を促進する。
末梢化学受容体(酸素分圧の低下に反応し呼吸を促進)は総頸動脈の分岐部に存在する頸動脈小体と大動脈弓に存在する大動脈小体がある。
肺伸展受容体は肺が拡張したら呼気を促し、肺が収縮したら吸気を促す反射。Hering-Breuerの反射
被刺激受容体は中枢気道の粘膜内・粘膜下に存在し、気道の異物に機械的な刺激を感知し、反射的にくしゃみ、気管攣縮などを誘発する。
血液脳関門は水素イオンや重炭酸イオンを透過せず、二酸化炭素を透過するので、動脈血中の二酸化炭素が最も影響を与える因子である。
高二酸化炭素血症では脳脊髄液中への二酸化炭素の移行が増え、髄液中の重炭酸イオンが増加するため、水素イオンが受容体を刺激し、呼吸が促進される。
頸動脈小体は低酸素血症を感知するが、動脈血酸素含量ではなくPaO2の低下に反応している。
清浄成人の吸気量は約500mLほどであるが、吸気ガスすべてが末梢気道においてガス交換に関与しているわけではない。
解剖学的死腔は成人でおよそ150mlである。
病的肺胞における死腔は肺胞死腔とよぶ
解剖学的死腔と肺胞死腔を合わせたものを生理学的死腔とよぶ。

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投稿者プロフィール

Takuya
Takuya
臨床工学技士です。他職種を含めた若手の臨床指導に力を入れて研修会・現場での仕事だけでなく、企業・教育セミナー講師、国内外の学会発表・参加、医療雑誌のコラム執筆に挑戦してきました。興味のある後輩達にそのノウハウや情報提供を行い、よりより後輩を育成するべく日々、自問自答です。育てた後輩達はいつか自分と周りの人々を助けてくれると信じています。

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