CEのためのちょっと役立つ疫学:感度・特異度

昨今、新型コロナウイルスの検査や、癌の診断について、
“〇〇検査の感度と特異度は~”のように耳にする機会も増えたかと思います。
では感度と特異度はどう違うのでしょうか?

今回は感度・特異度についてまとめます。

感度 :Sensitivity 病気ありの人が、検査で陽性となる確率
特異度
:Specificity 病気無しの人が、検査で陰性となる確率

*今回は実臨床とは関係なく仮に感染症のPCR検査について、
感度70%、特異度90%、有病割合10%と仮定します。

上記の表では、

感度  = 陽性 /(陽性+偽陰性)
特異度 = 陰性 /(偽陽性+陰性)

と表すことができます。

実際に計算してみると、

感度と特異度の特徴

理想的な検査は、感度100%、特異度100%なのですが、そのような検査はありません。
(Fig1の二つの山が重ならない検査はない)
実際には、感度を上げると特異度が下がり、また特異度を上げると感度が下がる、という特徴があります。

Fig1

では、この感度と特異度が臨床で何を意味するのか、それが確定診断と除外診断になります。

◎感度が高い検査は、除外診断に利用することができる
◎特異度が高い検査は、確定診断に利用することができる

感度が高い検査というのは、検査陽性が出れば実際に病気ありの人は検査陽性に含まれるが、偽陽性も増える
→言い換えれば、感度が高い検査では、(偽陰性が減るので)検査陰性の人は病気無し、と言える
除外診断

特異度が高い検査というのは、検査陰性が出れば実際に病気無しの人は検査陰性に含まれるが、偽陰性も増える。
→言い換えれば、特異度が高い検査では、(偽陽性が減るので)検査陽性の人は病気あり、と言える
=確定診断

   

ここからは余談ですが・・・

COVID19のPCR検査の感度は概ね70%、特異度は99%以上であろうと推測されています。

必ずしも検査結果陰性の人が感染なしとは断定できないけど、
実際に感染ありの人はほぼ陽性と断定できる、
えん罪は少なくしたい、偽陽性での入院を減らしたい、
とも捉えることができます。

しかし、検査陰性の中には偽陰性(実際には感染しているが検査は陰性)が含まれています。
また、感染の疑いがないにも関わらず、多くの人が安心するために検査を受けてしまうと、
低い確率であっても偽陽性が増るということになります。
その為、検査を受ける段階でそういった“結果の解釈”を知っておく必要があるのではないかと思います。

陰性が出たからと言って安心はできない、再検査も必要になりますし、
“自分が感染しているかもしれないと思って行動してください~”
ニュースで有識者が訴える理由も納得できる気がします。

(↑もちろん、これだけでは知識不足なのですが…)
PCR検査について詳しく知りたい方は参考までに。
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のPCR検査の意義をEBM的思考で考える – The SPELL blog (umin.jp)
新型コロナウイルスPCR検査は国民全員に行うべきなのか – The SPELL blog (umin.jp)
新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) 診療所・病院のプライマリ・ケア 初期診療の手引きVer3.0

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投稿者プロフィール

CE_Y.A.
臨床工学技士。趣味はマラソン。現在、社会人大学院生として修士課程で疫学衛生学を専攻しています。日々の臨床での疑問を解決したい、論文を正しく読み判断したい、データを適切に扱いたい、そういった思いで一念発起しました。臨床工学と疫学は、遠いようで近く、また疫学は必要な知識であるが学ぶ機会の少ない分野なのではないかと思います。学んだことを臨床で生かしつつ、臨床工学技士と疫学を繋げる一助となればと考えています。
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