人工呼吸中のモニタ

呼吸療法認定士を目指す方
呼吸について勉強したい方
呼吸療法認定士について改めて確認したい方
資料を作成いたしました。古いものもありますが、誰かの何かの役に立てば幸いです。
※随時更新して参ります。
人工呼吸器での圧単位はcmH2Oである。
過換気ではPaCO2が低下しトレンド波形は局所的な低下を示す。
グラフィックモニタで人工呼吸との同調性や換気力学的変化を捉えることが出来る。
気道抵抗は通常2cmH2O/L/秒前後であるが、気管チューブなどで上昇する。
パルスオキシメーター
非侵襲的、連続的に酸素化能を評価できる
プローブを指に挟むだけでSpO2が測定される。
キャリブレーション不要
プローブの発光部から660nmの赤色光と940nmの赤外光の2つの波長の光をあてている。
低酸素血症の早期発見に有用である。
パルスオキシメータの誤差要因
異常ヘモグロビン、色素、不整脈、静脈血の拍動、室内光、体動、循環不全
異常ヘモグロビン | |
一酸化炭素ヘモグロビン(COHb) | 誤って高く表示 |
メトヘモグロビン(MetHb) | SaO2が85%以上では低く表示、85%以下では高く表示 |
色素製剤の使用 | |
メチレンブルー | 1%5ml常駐で平均最低値65%に、3分以内に復帰 |
インドシアニングリーン | 0.25%5ml常駐で91%に低下 |
インジゴカルミン | 0.8%5ml常駐で平均95%に低下、変化時間は短い |
パテントブルー | 5%3ml皮下注で平均5%低下、1%3ml皮下注で1%低下 |
パルスオキシメータの測定値に影響しない因子
体動、メトヘモグロビン、血中に注入された色素、マニキュア
経皮ガスモニタについて
センサ付着部分の発赤、火傷などの危険があるため、定期的なセンサ貼り付け部位を変更する。
末梢循環が安定した状態ではPtCO2とPaO2との間には高い相関性がある。
新生児領域でよく用いられてきた
PtCO2測定法は1969年に、PtCO2測定法は1973年に実用化された。
センサ温度を42~44度に設定して皮膚に張り付ける。皮膚の厚い部分は避ける。

動的コンプライアンス
Cdyn=VT/(PIP-PEEP)
静的コンプライアンス
Cst=VT/(Ppause-PEEP)
カプノグラムについて
第Ⅰ相は二酸化炭素レベルが上がってこない部分
第Ⅱ相は二酸化炭素レベルが上がってくる部分
呼吸サイクルのカプノグラムは第Ⅰ相から第Ⅳ相まである。
ほぼ肺換気だけが呼出されて濃度が一定になりプラトーになるのは第Ⅲ相
最後(第Ⅲ相)は二酸化炭素レベルが下がり0になる
二酸化炭素レベルの測定には、赤外線(4.28μm)の吸収を利用する方法と、質量分析装置で測る方法とがある。
サイドストリーム型は測定に遅れが生じる
メインストリーム型は死腔がやや増える。
現在ではメインストリーム型のセンサが小型軽量化されたため、メインストリーム型が用いられることが多い
メインストリーム型は呼吸回路内にセンサをおいて、そこで測定し、表示は器械本体で行う方式
終末呼気二酸化炭素分圧の指数関数的減少

考えられる原因:人工心肺装置の運転開始,心停止,肺塞栓,大量出血,急激な血圧低下
終末呼気二酸化炭素分圧の持続的な低値

考えられる原因:大きな分時換気量設定による過換気,低体温,ショック後
終末呼気二酸化炭素分圧の持続的な低値(肺胞平坦部を形成しない場合)

考えられる原因:不十分な肺胞換気(低一回換気量、短い吸気時間など),慢性閉塞性肺疾患(COPD),上気道閉塞,気管チューブ内腔の狭窄
二酸化炭素分圧の急激な低下(PCO2≒0)

考えられる原因:事故抜管,完全気道閉塞,呼吸回路の接続はずれ,食道挿管(1,2呼吸後に低下する)
終末呼気二酸化炭素分圧の漸増

考えられる原因:代謝の亢進、体温の上昇(分時換気量が一定の場合),分時換気量設定を減少させた直後,有効な肺胞換気量の減少
二酸化炭素分圧の急激な低下(PCO2>0)

考えられる原因:回路リーク,気道狭窄,事故抜管(チューブが咽頭内にとどまる場合)
肺胞平坦部が右上がり

考えられる原因:喘息発作,不均等換気,
終末呼気二酸化炭素分圧の持続的な高値

考えられる原因:薬剤による呼吸抑制,代謝性アルカローシスの呼吸性代償,少なすぎる分時換気量設定
投稿者プロフィール

- 臨床工学技士です。他職種を含めた若手の臨床指導に力を入れて研修会・現場での仕事だけでなく、企業・教育セミナー講師、国内外の学会発表・参加、医療雑誌のコラム執筆に挑戦してきました。興味のある後輩達にそのノウハウや情報提供を行い、よりより後輩を育成するべく日々、自問自答です。育てた後輩達はいつか自分と周りの人々を助けてくれると信じています。
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