在宅人工呼吸

呼吸療法認定士を目指す方
呼吸について勉強したい方
呼吸療法認定士について改めて確認したい方
資料を作成いたしました。古いものもありますが、誰かの何かの役に立てば幸いです。
※随時更新して参ります。
在宅人工呼吸基礎疾患
慢性閉塞性肺疾患 | 29% |
神経筋疾患 | 25% |
肺結核後遺症 | 21% |
脊椎後側弯症 | 5% |
低換気 | 3% |
TPPV在宅の基礎疾患
神経筋疾患 | 77% |
低換気 | 9% |
慢性閉塞性肺疾患 | 3% |
肺結核後遺症 | 3% |
脊椎後側弯症 | 1% |
NPPVはTPPVと比べ、導入の容易さと簡便性、患者に対する侵襲度が低いというメリットがある。
肺胞換気量確保の確実性の点では、TPPVの方が優れている。
誤嚥がある場合、喀痰などの分泌物の自己喀出が困難なため気道確保が必要である場合などは、TPPVが適切である。
すでに気管切開は行われている症例に対し、NPPVを適応する場合がある。
NPPVでよく用いられているbilevelPAPタイプの人工呼吸は、リークを許容した設計となっている。
1990年にHMVへの社会保険適応が開始された。
2007年ではNPPVがHMVの過半数をしめる。
NPPVでは神経筋疾患よりも呼吸器疾患の割合が増加傾向である。
NPPV普及前はⅡ型呼吸不全の低酸素血症に対する治療は酸素療法が中心であった。
HOT実施施設72%、HMV実施施設 54% NPPV 27%である。
適応基準
空気呼吸で、血液ガス分析の結果Pao2 55mmHg以下は絶対適応
① Pao2 55mmHg未満は絶対適応
② 55~60mmHgでも、睡眠時や運動時に低酸素状態の悪化がみられる時
③ パルスオキシメーターで88%以下
④ 肺高血圧症を伴なうとき
HMVの適応疾患
1、中枢神経疾患 | 中枢神経肺胞低換気症候群 |
脳出血 | |
脳腫瘍 | |
頭部外傷 | |
2、神経筋疾患 | |
①末梢神経疾患 | 筋萎縮性側索硬化症 |
ポリオ | |
脊髄損傷 | |
脊髄腫瘍 | |
ギラン・バレー症候群 | |
末梢神経炎 | |
横隔神経麻痺 | |
②神経接合部疾患 | 重症筋無力症 |
③筋疾患 | 筋ジストロフィ |
膠原病に伴う筋炎 | |
3、呼吸器疾患 | |
①肺疾患 | 慢性閉塞性肺疾患 |
特発性肺線維症 | |
②胸郭疾患 | 肺結核後遺症 |
脊椎カリエス | |
脊椎後側弯症 |
HMVの適応となる病態は高二酸化炭素血症を伴うⅡ型呼吸不全が中心となる。
行動性呼吸調節とは、息ごらえ、会話、痛みなどによって起こり、大脳皮質からのコントロールが、換気を調節する仕組みである。
代謝性呼吸調節とは、延髄と頸動脈分岐部の化学受容体がPaO2、PaCO2、pHの変化を監視し、これらに異常があれば、肺胞換気量を調節し一定に保つような調節機構である。
HMV導入時の指導・訓練内容
人工呼吸器の取扱い
用手人工呼吸法
気管内吸引法
カニューレ挿入
人工回路交換
チューブトラブルへの対応
介護方法
緊急時の対応
Comminication aidの練習
試験外泊
NPPVの場合、インターフェースとしてのマスクが重要でNPPV導入・継続の成否に大きく関与する。
マスクの選択・フィッティングがNPPVの成否を左右すると言っても過言ではない。
神経筋疾患患者の場合、マウスピースも重要なインターフェースである。
TPPVの場合、インターフェースは気管カニューレとなるが、気道分泌物の多い症例の場合、内筒洗浄ができるタイプのものを使用する。
在宅人工呼吸療法の今後の課題
地域ネットワーク形成のさらなる充実
在宅ケア資源、経済的支援のさらなる充実
診療・介護体制のさらなる充実(特に夜間・休日)
レスパイトケアの整備(介護者の休養目的)
人工呼吸器、関連物品のさらなる改良(特に災害時、停電時)
投稿者プロフィール

- 臨床工学技士です。他職種を含めた若手の臨床指導に力を入れて研修会・現場での仕事だけでなく、企業・教育セミナー講師、国内外の学会発表・参加、医療雑誌のコラム執筆に挑戦してきました。興味のある後輩達にそのノウハウや情報提供を行い、よりより後輩を育成するべく日々、自問自答です。育てた後輩達はいつか自分と周りの人々を助けてくれると信じています。
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