ICD,CRT概論 〜CIEDs〜

心臓植え込み型デバイス認定士を目指す方

心臓植え込み型デバイスについて勉強したい

心臓植え込み型デバイス認定士について改めて確認したい方

資料を作成いたしました。古いものもありますが、誰かの何かの役に立てば幸いです。

☆植え込み型除細動器
ICD:Implantable Cardioverter Defibrillator
心臓突然死の原因となる心室細動や心室頻拍を自動的に検知し、電気治療を行なって心臓の動きを正常に戻す機器である。

※生命を脅かす不整脈(Sudden Cardiac Arrest)は治療を受けなければ死に至る。除細動で治療された場合、98%の人々が致死性不整脈より救命される除細動なしの場合SCAで生存するのは5%程度。

☆ショックリード

●IS-1/DF-1タイプの構成
・ペーシング/センシング
・RVコイル
・SVCコイル(シングルコイルの場合は無し)

●DF-4タイプの構成
従来のIS-1/DF-1タイプのポケット容積や癒着、接続数の低減のために開発された規格

●Integrated Bipolar
・センシング:tipとdistal・RVコイル間でセンシングを行う。
・ペーシング:tipとdistal・RVコイル間でペーシングを行う。
※RV ring電極はない

●Dedicated(True) Bipolar
・センシング:tipとringの間センシングを行う。
・ペーシング:tipとringの間ペーシングを行う。

●心房リードは有心耳へ挿入
心房ペーシング/センシングだけでなく心室頻拍と上室性不整脈との識別において重要となる

☆ICDのセンシング回路

①差動増幅器でノイズを除去
②バンドパスフィルタでT波などの低周波成分、筋電位、EMIの高周波成分を除去
③整流器により陰性成分を陽性に折り返し波形を整形
④レベル検出器に設定されている閾値以上の電位を感知する

☆ICDセンシングアルゴリズム
心室細動の心内電位は低く変化率が大きい

・固定のセンシングでは心室細動のR波をアンダーセンシングしてしまう可能性がある

・センシング感度を鋭くし過ぎるとT波のオーバーセンシングの危険がある

●Auto Gein Control(自動センシング感度調整)
感知したR波の大きさに応じてセンシング感度が経時的に変動する。
・R波のセンシングを行うと設定された割合までセンシング感度を鈍く調整しT波のオーバーセンスを防止する
・その後、センシング感度を徐々に鋭くし、変化率の大きい心室細動のR波の検出も可能としている

☆ゾーン設定

・洞調律の上限レートとVFの検出レートを基本として設定

・VTの既往もしくは存在が予想される場合はVTゾーンの設定を実施する

・最大3ゾーンに加え、モニタリングゾーンを設定可能【VF,FVT(FastVT),VT】

☆VT検出アルゴリズム

・VTカウント
VT検出完了までの連携したVTカウント数が起こることによって検出をおこなう。
1心拍でも検出レートを下回るとカウントが0に戻る。

☆VF検出アルゴリズム

VFは身内波形の変動が大きくアンダーセンシングの可能性が大きい。
→VT検出のような連続カウントではすぐにリセットされてしまう。

☆X/Y検出アルゴリズム(Ex.18/24)

Y心拍のうちX心拍が設定したVFゾーンでカウントされた場合にVFとして検出を行う(Ex.18/24)

☆SVTの識別と種類

SVT(上室頻拍)と心房内または房室結節から心室に伝導する早い周期の頻拍。
ICDが、真のVTとSVTを確実に識別することが不適切作動を低減することに直結する。

●オンセット基準:洞性頻拍とVTをレートの変化率で区別
●スタビリティ基準:早い心房細動とVTをRR間隔の変動で区別
●パターン識別:PP間隔、RR間隔の差、安定性などをパターン化してSVTとVTを比較
・AFエビデンス基準(V-V間に2つ以上の心房イベントあり)
・心房&心室解離基準(8つのV-V間の4つ以上に心房イベントなし)
●波形識別:頻拍時のQRSと洞調律時のサンプル波形で一致率を比較
Ex:マッチ率が低い→VT
マッチ率が高い→SVT

☆ICDの治療法

●除細動:Defibrillation
心臓全体を大きなエネルギーで刺激し心室細動を停止させるショック治療

●カルディオバージョン:Cardioversion
抗頻拍ペーシングが無効な心室頻拍に対するショック治療

●抗頻拍ペーシング治療:Antitachy Pacing
刺激パルスを心室頻拍よりも早いレートで放出し頻拍を停止させる

●徐脈に対するペーシング:Brady Pacing
ペースメーカーと同様の機能

☆デュアルコイルとシングルコイル

●デュアルコイル
・高除細動閾値でも高い停止効果が期待される
・抜去が困難(SVCとの癒着)

●シングルコイル
・高除細動閾値では停止しない可能性がある
ただし、近年35→40J前後へ高出力ショックが出せるためにシングルコイルでも停止不能な不整脈は減少している
・抜去が容易(SVCとの癒着が少ない)

☆ATP(抗頻拍ペーシング)治療の種類

●Burst Pacing

●Ramp Pacing

☆CRT
心臓再同期療法(Cardiac Resynchronization Therapy)

心臓を右室、左室の両側からペーシングすることによって心不全の改善を促す治療

●心不全のさまざまな症状

・息切れ
・足のむくみ
・慢性的なエネルギーの欠如(だるさ)
・呼吸の問題による夜間の睡眠障害
・痰を伴う咳
・食欲不振を伴う鼓腸
・夜間頻尿
・精神の混乱

●心不全の分類(NYHA分類)

・Ⅰ度
心疾患はあるが通常の身体活動では症状無し
年間死亡率:5%未満
無症候性

・Ⅱ度
普通の身体活動で疲労、呼吸困難などが出現。
通常の身体活動がある程度制限
年間死亡率:5−15%
軽度症状

・Ⅲ度(CRT適応)
普通以下の身体活動で愁訴出現
通常の身体活動が高度に制限
年間死亡率:20−50%
中等度〜重度症状

・Ⅳ度(CRT適応)
安静時にも呼吸困難
安静時にも心不全症状出現
年間死亡率:30−70%
難治性症状

※NYHA分類はおおまかな心機能障害の程度を問診により簡便かつ短時間に知ることができる点が優れている。

●左室リモデリング

左室の質量、容積、形状が時間とともに変化すること
※心室の容積を大きくして拍出量を増やそうとする防御反応

心拡張が余計に心機能の低下をもたらしてしまう

●CRT適応基準

・中等度または重度の心不全
(NYHAクラスIIIまたはIV)

・QRS幅130ms以上。(基準:60~100ms)
※QRS延長は心室収縮のタイミングがズレている

・左室駆出率35%以下。(基準:60%以上)

・薬物治療抵抗性。

●CRT治療のロバによる例え

心室機能不全により、患者は日常生活における一般的な活動を遂行する能力が制約される・・・

ジギタリス製剤
ロバの前につり下げられたニンジンと同じ働き《強心作用》

利尿薬、ACE阻害薬

心臓再同期療法(CRT)

●ペーシングリードの留置部位

●まとめ

心臓の左心室と右心室の収縮のタイミングのズレを元に戻すことによって心不全の改善を期待するもの。
※ AVディレイの至適化も重要!

各社が様々なアルゴリズムで電池寿命を延ばし、タイミングの最適化を実現している。


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投稿者プロフィール

Takuya
Takuya
臨床工学技士です。医療者教育について学んでいます。他職種を含めた若手の臨床指導に力を入れて研修会・現場での仕事だけでなく、企業・教育セミナー講師、国内外の学会発表・参加、医療雑誌のコラム執筆に挑戦してきました。興味のある後輩達にそのノウハウや情報提供を行い、若手支援をしながら日々、自問自答です。素晴らしい若手は自分と周りの人々を助けてくれると信じています。

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